※S は、夫と別居してからの日
ホテルの部屋の窓から外を眺める。
曇り。
雨が降る、と言われていたけれど、
なかなか降る様子もない。
そして、私は、日曜日までここから
外へは出られない。
外を眺めるだけ。
飛行機に乗ってるような感じ。
コロナ発、行き先は…、日常か。
ホテルの部屋は1人なので、
お風呂に入ったり、トイレに行ったりが自由。
そして1日3回、
食事の準備ができた時のみ部屋から出ることを許される。
食事はお弁当。
…もう、飽きてしまった。
ほとんど食べられない。
パンが食べたい。
フルーツも食べたい。
生野菜のサラダが食べたい。
なんてことを思いながら、
それを楽しみに出所を待つことにしましょう。
<パーフェクトワールド>を観た。
前から観たいと思っていた映画。
この前間違えて<フィールドオブドリームス>を
借りてきてしまった。
それはそれでよかったけれど。
ちょうど今、Huluで配信されている。
嗚呼、なんとケビンコスナーのカッコ良いことか、と、
ときめく。
そして、時代背景が60年代で、
車や雰囲気も素敵。
私の大好きなものが全部あるんじゃないか、と思うアメリカ。
ずっとドキドキした。
というか、ハラハラした。
やっぱり何かから逃げ続けるのを観るのは、
緊張する。
観客の自分は、その映画の全体もわかっているだけに、
あれこれ心配してしまうのだ。
主人公が知らないことを知っている私は、
頭の中が忙しい。
8歳の少年フィリップと脱獄囚ブッチの時間。
男同士。
ブッチは優しい。
世間では、問題を起こしてしまうタイプだけれど、
それもきちんと理由がある、んだろう、と思える人柄。
みんな優しくしてほしいのだ。
何かあったら理由を聞いてほしいのだ。
でも、それがないままに、起きたことだけを責め立てられる。
そうだ、結果が全てなのだ。
やる前に想像してみれば済んだ話かもしれない。
そんなことはたくさんあるのかもしれないけど、
やっぱり何より、優しくされたい。
わかって欲しい、のだ。
どんな世界が欲しいか、って、
自分を受け入れてくれる世界なのだ。
それがパーフェクトワールドなのかもしれない。